噛み合わせとは

上下の歯の接触を「噛み合わせ」といいます。
噛み合わせが正しいということは、単に歯が美しいというだけではありません。正しい噛み合わせとは、上下の歯を合わせたときに、歯が安定した位置にあり、歯や歯を支える歯周組織と骨に負担がかかっていない状態のことをいいます。
正しい噛み合わせは、上下の歯の力を分散させますが、噛み合わせが悪いと噛む力が傾いた歯などに負担がかかり、様々な口腔トラブルや全身のトラブルが発生します。

なぜ噛み合わせが
悪くなる原因

噛み合わせが悪くなる原因はいくつかあります。例えば、歯の痛みから他の場所で噛むようになり、顎の位置がずれてしまうことがあります。ずれた顎によって歯の位置が変わり、噛み合わせが悪くなります。
さらに、頬杖をついたり、親指を吸ったりすることも、噛み合わせが悪くなる原因になります。

噛み合わせが全身に
及ぼす影響について

噛み合わせは、「うまく噛めない」という問題だけにとどまらず、肩こりや腰痛、頭痛、めまい、手足のしびれなど、全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。
噛み合わせが悪いと顎がずれ、お口全体のバランスが崩れるます。お口全体のバランスが崩れると、体のバランスも崩れてしまいます。たとえば、噛み合わせが悪いと体全体の筋肉バランスがおかしくなり、運動がうまく出来ません。スポーツ選手の口元をよく見てみると、歯がきれいな方が多いと気づくでしょう。実は、奥歯の歯並びが悪いと力が入りにくいため、子どもの頃から矯正治療を受けるなどして、噛み合わせを正しくしているケースも多いようです。
噛み合わせが悪いせいで顎に負担をかけ続けると、顎関節症になる可能性もあります。
「噛む」という行為は、人間にとってとても重要な行為です。早期に噛み合わせを治療することは、健康な体を維持する秘訣になります。

顎や首の痛み、もしかすると噛み合わせが原因かも

噛み合わせは無意識のうちに悪化し、歯や顎関節に強い痛みを伴うようになってから気づくケースも少なくありません。奥歯の歯並びが悪くなると、食べ物を噛み砕くことが難しくなります。すると、無意識のうちに顎の位置を後ろに移動させ、噛みしめるような状態を作り出してしまうのです。この状態が続くと、顎を引く筋肉が活動したままになり、筋肉がある顎の下から首のあたりが痛くなるのです。 また、歯と歯の間が痒い、急に食べ物が挟まるようになった、顎を動かすと音がするなどの症状がある場合は、一度当院で検査を受けてみてください。

噛み合わせの治療

ぱっと見、歯がきれいに並んでいるように見えても、実は筋肉に負担がかかっていることがあります。当院では、筋肉のバランスが取れる顎の位置を探し、歯と顎にとって自然で無理のない噛み合わせをつくります。
具体的には、マウスピースの使用、歯の矯正や顎の矯正です。詰め物や被せ物が原因の場合は、削ったり調整しながら噛み合わせの高さを調整します。さらに、痛みがある場合は、それを取り除く治療も同時に進めていきます。また、日々の生活習慣が原因で噛み合わせが不安定になることもあるため、生活習慣に関するアドバイスも行っています。
当院では、お口の中の状態や患者さまのご希望に合わせて、一人ひとりに最適な噛み合わせ治療をご提案しています。

噛み合わせの
セルフチェック

一見するとキレイな歯並びでも、実は噛み合わせに問題が隠れていることがあります。
お口の中やお口の周りの筋肉のバランスが崩れていることを教えてくれるさまざまなサインに当てはまるものがないか、セルフチェックしてみましょう。

食事の時、左右どちらかで噛むことが多い

お口のバランスが崩れていると、無意識に噛みやすい側で噛んでしまうようになります。ふと気がつくと、片方ばかりで噛んでいるという方は要注意です。

正面から見たとき、顔が左右非対称である

鏡でご自身の顔と向き合い、左右に歪みがないことを確認します。左右非対称の場合、噛み合わせが悪い可能性があります。

頬の内側、唇、舌などをよく噛む。

普段の食事で、頬や唇、舌などの内側を頻繁に噛んでしまう場合は、噛み合わせの問題が関係しているかもしれません。

歯茎が下がる

加齢や歯周病のほか、噛み合わせがずれて一部の歯に強い負荷がかかると、その結果、歯を支えている顎の骨に負荷がかかり、歯茎も下がってきてしまいます。

冷たいもの、熱いものに対する知覚過敏

虫歯がないのに、冷たいものや熱いものを食べるとズキズキとした痛みを感じる「知覚過敏」。歯周病の進行や不適切なブラッシングに加え、噛み合わせが悪くなってしまうこともあります。